I Peace, Inc(アイ・ピース、本社:⽶国カリフォルニア州パロアルト、CEO:⽥邊剛⼠ )の⽇本⼦会社であるアイ・ピース株式会社は、京都市にある細胞製造拠点において特定細胞加⼯物製造許可を厚⽣労働省(近畿厚⽣局)より得ました。
これに伴いこの度同拠点にて、臨床⽤ iPS 細胞の作製サービスを開始いたしました。
弊社は、ファナック株式会社と共同開発した⾃動量産技術を⽤いて、数年以内に年間数千株の臨床⽤ iPS 細胞の多種同時量産体制注1を構築することを⽬指しています。
ポイント
・臨床⽤ iPS 細胞の作製サービスを開始した。
・当社製造施設は、『再⽣医療等の安全性の確保等に関する法律』に定められた基準に適合しており、
⾼品質で安全な iPS 細胞を製造できる施設であることが認められた。
臨床用iPS細胞作製サービス開始の背景
現在、国内外で再生医療の実用化に向けてiPS細胞由来の細胞を用いた様々な臨床研究が行われている一方で、実際の細胞移植医療の原材料となる臨床用のiPS細胞の作製が可能な拠点は世界的にも非常に限られています。
細胞移植医療に用いるiPS細胞を作製する施設は、『再生医療等の安全性の確保等に関する法律』に定められた基準に適合しなければなりません。
I Peace(アイ・ピース)の強みは、ファナック株式会社と共同開発した独自の完全閉鎖系自動iPS細胞作製装置注2により多種のiPS細胞株を同時に平行して大量に作製、提供できることにあります。iPS細胞株の分化指向性注3は、臨床研究を進める上で課題の一つでした。 当社は臨床用のiPS細胞株の選択肢を増やすことで、研究機関等が自身の行う臨床研究に最適なiPS細胞株を選ぶことを可能とし、臨床研究を促進します。また、自家移植を実現するためには多種の臨床用iPS細胞株を同時並行で量産出来るシステムが必要不可欠です。当社の施設はiPS細胞を用いた自家移植の実現に大きく貢献します。
I Peace, Inc.(アイ・ピース株式会社)は、ファナック株式会社と共同開発した自動量産技術を用いて、年間数千株の臨床用iPS細胞の多種同時量産体制注1を目指して今後さらに設備増強していきます。
iPS細胞作製サービスについて
I Peaceでは、これまで研究用のiPS細胞作製サービスを行っており、日米の様々な大学や企業のニーズをお伺いしながらカスタム製造した研究用iPS細胞を提供してきました。Peace Engine-Kyotoが特定細胞加工物製造許可を得たことにより、臨床用iPS細胞の作製サービスを本格的に開始しました。また、臨床用iPS細胞の樹立株の販売も行って参ります。
細胞培養加工の施設名 : アイ・ピース(株)Peace Engine-Kyoto
施設番号 :A5190004
注1: 多種同時量産
多数のドナー由来のiPS細胞を同時に一つの部屋で製造すること。
注2:完全閉鎖系自動iPS細胞作製装置 (以下URL参照)
https://ipeace.com/news/press-release-20200310-ipeace/
注3:分化指向性
ES/iPS細胞は特定の細胞への分化しやすさ(分化指向性)が細胞株ごとに異なる。iPS細胞由来の心筋細胞を用いた臨床研究を行う場合、心筋細胞に分化しやすい株を選択することが可能であれば、研究効率が上がる。