アイ・ピース(I Peace)はGMP細胞製造設備を拡張し、iPS細胞やiPS細胞由来分化細胞のCDMO(開発製造受託者)能力を3倍に増強します。既に設備はほぼ完成しており、医薬品医療機器総合機構(PMDA)によるGMP適合性調査を経て4月には新規設備の操業開始を予定しています。当該施設はFDAガイドライン準拠施設として登録されていますが、拡張に伴いFDAへの登録もアップデートされます。能力増強後は、製薬会社向けカスタム製造と個人向けiPS細胞バンキング用製造併せて年間数百ラインの能力を有することになります。これによりGMP細胞のグローバル開発製造受託者(CDMO)として世界各国の製薬会社、細胞医療開発企業・研究機関、ならびに個人用iPS細胞バンキングのニーズの増加に対応することが可能となりました。
弊社細胞製造拠点は既に特定細胞加工物製造許可を厚生労働省(近畿厚生局)より得ており、さらにiPS細胞バンクのリスク管理戦略について医薬品医療機器総合機構による対面助言相談記録が確定しています。また、第三者機関により医薬品の製造管理および品質管理に関するグローバルな基準であるICH-Q7ならびに米国食品衛生局の製造プロセスに関する規制である21CFR210/211に準拠、そしてiPS細胞のもととなる血液ドナーのスクリーニングは米国食品衛生局のヒト細胞・組織およびそれらに由来する製品に関する基準21 CFR1271に準拠している旨の認証を受けています。加えて薬品製造施設としてのFDAへの登録が受理され、FDA登録医薬品製造施設としてデータベースに掲載されました。FDA薬品製造施設データベースへの登録は、FDAに提出した施設詳細情報をもとに医薬品製造にふさわしい条件を備えた施設として認められたことを意味します。また、作製された医療用iPS細胞の製造情報詳細は製法、品質管理、安定性試験を含めてFDAのDMF(Drug Master File)に登録されています。
したがって、PMDAだけでなくFDAへの承認申請を予定される製薬企業は、アイ・ピースの医療用iPS細胞、iPS細胞由来の医療用分化細胞製品、及び医療用細胞の製造受託サービスを活用する事により、日米両国の規制に適合した臨床試験を加速する事ができ、再生医療の臨床応用の承認申請をグローバルに行うにあたっての時間とコストを大きく削減することが可能となります。
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